「Portuguese Soul」 Jimmy Smith

  オルガンジャズ好きのポルトガルギター奏者として、この作品を紹介しないわけにはいかない。というワケで、御大ジミー・スミスの隠れ名盤『Portuguese Soul』 ポルトガルのソウル(魂)です。ジミー・スミスの名盤といえば、ルー・ドナルドソンやリー・モーガンらとの一大セッションを捉えた『The Sermon』、ビッグバンドを従えた『The Cat』、70年代ファンクの名ライブ盤にして超有名なジャケットでもおなじみ『Root Down』あたりがまず挙げられますが、この『Portuguese Soul』は、ビッグバンドを従えながらに、メロウからファンクまで、ジミー・スミスの自在な表現が堪能できる実にゴキゲンな作品なのです。

  そもそも本作がタワーレコードの企画商品として「発掘」された2006年、すでにポルトガル関係者の端くれだった私は、一体どのようにオルガンジャズにポルトガル(つかファド)を表現として取り入れたのか、非常に強い関心とともに購入したわけですが、結論から言えばポルトガル要素はゼロ(笑)。ジミー・スミスによる英語のライナーノーツを流し読んだ感じでは、欧州ツアーで訪れたリスボンの街にインスパイアされてこの組曲を作ったらしいです。で、「また戻ってくるぜ、リスボン!」ってな感じで終曲を奏でるという、そんなノリ。


 というわけで、楽想はともかく、楽曲にポルトガル要素は皆無の本作ですが、プレイ、トーンともに、ジミー・スミスの作品中、実は本作が最も好みだったりします。M-1「And I Love You So」のメロウな表現は、ちょっと他では聞けないですよ。サド・ジョーンズの手によるブラスセクションも贅沢の極み。ポルトガル関係者としての思い入れも加算して、私はこのレコードを自信を持って推薦します。ただ、これから先、入手できるのかなぁ、コレ。




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